給湯器のつけっぱなしは良くない?料金や安全性についてを解説

資源エネルギー庁の調査によると、一般家庭でもっとも待機電力の多い設備は「ガス式給湯器」とされており、なんと家庭で発生する待機電力全体のうち、約19%をガス式給湯器が占めているのです…!
では、ガス式給湯器を使わないときは電源をオフにしたほうが良いのでしょうか。
今回は、給湯器をつけっぱなしにしたときと都度消したときの電気代を比較します。
少しでも電気代を浮かせたい人は、必見です!
給湯器をつけっぱなしにした場合と都度消した場合の料金比較

ガス式給湯器をつけっぱなしにした場合はもちろん、都度消した場合も、コンセントに接続している以上は待機電力代がかかります。
そこでここからは、「ガス式給湯器をつけっぱなしにした場合」と「都度電源を消した場合」の待機電力代を比較しましょう。
計算に用いる電気代には、全国的な平均値である27円/1kWhを採用します。 詳しい料金を計算したい人は、自宅で契約している電力会社の料金単価を当てはめて計算してみてください。
給湯器をつけっぱなしにした場合にかかる料金
資源エネルギー庁の調査によるとガス式給湯器をつけっぱなしにしたときの待機電力は、7.06Wとあります(※平成24年度時点)。
7.06WをkWhに直すと、0.00706kWhです(7.06W÷1,000)。
では0.00706kWhの状態を1年間続けると、待機電力代がいくらになるか計算してみましょう。
0.00706kWh×24時間×365日×27円=1,669.83円
1年間でおよそ1,700円ほど、つまり1月あたり約142円です。
これは平成24年度時点の情報ですが、古いガス式給湯器をお使いの場合は、上記の電気代になる可能性があります。
一方、給湯器が新しい場合は省エネ性能が高まっているため、消費電力もより少なくなります。
より省エネ性能の高いガス式給湯器の中には、つけっぱなしにしたときの待機電力が3.89W程度のものもあります。
3.89WをkWhに直すと0.00389kWhです。
では0.00389kWhの状態を1年間続けると、待機電力代がいくらになるか計算してみましょう。
0.00389kWh×24時間×365日×27円=920.06円
1年間でおよそ920円ほどかかる、つまり1月あたり約77円です。
この結果から、ガス式給湯器をつけっぱなしにした場合、年式や省エネ性能に応じて1月あたり80~140円の待機電力代がかかっているとわかります。
給湯器を都度消した場合にかかる料金
では給湯器を都度消した場合はどうでしょうか。
給湯器をオフの状態にすると、使用電力は1~2W少なくなるとされています。
1~2Wということは、kWhに直すと0.001~0.002kWhです。
電気代に直すと、以下のとおりとなります。
0.001kWh~0.002kWh×24時間×365日×27円=236.52.06~473.04円
つまり給湯器は都度消すことで、年間約237~470円の節約になることが分かりました。
古い給湯器では年間の待機電力代が1,700円から1,463~1,230円に、新しい給湯器では920円から638~447円まで節約できます。 節約できる額を1ヶ月に直すと20~40円とわずかですが、少しでも無駄な電気代を削減したい人は都度電源を消したほうがお得です。
給湯器をつけっぱなしにした際のメリットとデメリット

メリット | デメリット |
---|---|
・都度スイッチを消す手間がない ・自動機能が常に作動する | ・うっかりお湯を出してしまうことがある ・機種によっては危険 ・給湯器の寿命が短くなる可能性がある |
給湯器は都度消したほうがお得ですが、つけっぱなしにすることで得られるメリットもあります。
反対に、都度消すとかえって不便になってしまうこともあるため、つけっぱなしのメリットとデメリットを踏まえたうえで使い方を検討しましょう。
給湯器をつけっぱなしにした際のメリット
給湯器をつけっぱなしにした際のメリットは、主に以下のとおりです。
- 都度スイッチを消す手間がない
- 自動機能が常に作動する
給湯器をつけっぱなしにする最大のメリットは、なんといっても手間がかからない点です。
特に家族が複数いる場合は、都度電源を消すと1日に何回も電源ボタンを押すことになり、消し忘れが生じたときにストレスを感じることもしばしば。
1ヶ月数十円の節約を取るか、こまめに消す手間を取るかと考えたときに、手間をかけないほうを選ぶのも1つの選択肢です。
また、電源をつけっぱなしにしておくことで給湯器の自動機能が常に作動します。
たとえばお風呂から出たあと一定時間の保温機能や、自動的に足し湯をする機能などが挙げられます。
このようにお湯を使わないときも自動で働く機能は電源を切ると稼働しません。 電源をつけっぱなしにしておくことで、給湯器の便利な機能を最大限に活かせる場合もあります。
用途に応じて、電源をつけっぱなしにするか消すか検討しましょう。
給湯器をつけっぱなしにした際のデメリット
給湯器をつけっぱなしにするデメリットは、主に以下のとおりです。
- うっかりお湯を出してしまうことがある
- 機種や年式によっては危険
- 給湯器の寿命が短くなる可能性がある
給湯器の電源をつけっぱなしにしておくと、お湯が必要ないときでもお湯を出してしまう場合があります。
たとえば水を使いたいときでも、蛇口がお湯の方にひねられていれば意図せず給湯器が稼働してしまいますが、こうしたときに使われる無駄な電力も、電源を都度消すことで節約可能です。
またバランス釜タイプの給湯器で年式が古いものは特に、つけっぱなしにすると火災のリスクが高まります。 バランス釜タイプの給湯器は、本体の中で種火を燃やしてお湯を沸かす仕組みですので、古いと安全装置が劣化している可能性があり、火災のリスクが高まります。
ほかにも、温度調節に必要な部品が劣化することで、急に熱いお湯が出て火傷をするリスクが考えられます。
なお常に稼働させ続けるという観点では、機種に関係なく給湯器の寿命が縮まる可能性もあります。
光熱費を抑えたいならエコキュートがおすすめ

光熱費を節約したい場合、エコキュートを導入することで光熱費を抑えることができます。 エコキュートとは、電気で稼働するタイプの給湯器ですので、待機電力のみを考えるとガス給湯器よりも光熱費が割高になります。
しかし、肝心の「お湯を作るために使う光熱費」は、ガス給湯器よりも節約できるのです。
なぜならエコキュートは料金単価の安い夜間電力を活用し、翌日分のお湯をあらかじめ沸かしておきます。
さらにお湯を沸かす際、空気中にある大気熱を活用するため熱効率も高いのです。
また災害時にはタンクに貯まったお湯を使えるため、有事への備えとしても注目されています。
難点を挙げるとすれば、ほかの給湯器よりも初期費用が高い傾向にあります。
しかし地域によっては購入時に使える補助金があるため、ぜひ検討してみてください。
つけっぱなしでも都度消しでもコンセントは抜かないで!

ガス式給湯器の待機電力について解説しました。 少しでも電気代を少なくしたい場合は、使わないときに電源を切っておくのがおすすめです。
ただし、都度消す場合もコンセントは抜かないようにしましょう。
なぜならコンセントを抜いてしまうと、凍結防止機能といった本体を保護する機能がはたらかなくなってしまうためです。
凍結防止機能は温度センサーが外気温を検知し、自動的に本体が凍らないようヒーターで暖める機能ですが、電源が入っていないと作動しません。 本体が凍結すると故障の原因にもなるため、コンセントは抜かないようにしましょう。
ちなみに給湯器の凍結についてはこちらの記事でもご紹介していますので参考にしてください。
「給湯器 凍結防止の予防策・凍ってしまったときの対処法のまとめ」