新しい給湯器の種類はどうする?建て方・地方・建築時期からふさわしいものを選ぼう

家庭でお湯を使うために欠かせない給湯器ですが、一昔前まではガス給湯器が一般的でした。
しかし、最近温暖化などの環境問題によってエコを目的とした設備も普及し始めて電気の給湯器を使用している家庭も増えてきました。
スマートハウス、オール電化などの言葉もよく聞くようになったこの時代、果たしてどの給湯器が人気なのか?環境省のデータを元に解説していきたいと思います。
建て方別給湯器・給湯システム
給湯器・給湯システムの種類(世帯で複数機器の場合あり)は、建て方別の差が大きくなっています。 集合住宅に住む世帯では約8割弱がガス給湯器・風呂がまを使用している一方、戸建住宅に住む世帯では5割程度となっています。電気ヒートポンプ式給湯器については、戸建住宅世帯での使用率は2割程度となっている一方、集合住宅世帯での使用率は3%程度となっています。
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引用元:環境省
環境省による全国の家庭で使われている給湯システムのデータです。まだ、マンションやアパートなどの集合住宅では9割以上がガス給湯器を使っております。
しかし、一軒屋、一戸建ての家庭では50%ほどまでに減少しており、電気給湯器の普及率もかなり増えています。最近では建売の住宅もオール電化やスマートハウスの使用になっているところが多いので今後も電気給湯器の普及率は上がっていきそうです。
地方別給湯器・給湯システム
ガス給湯器・風呂がまは大都市圏である関東甲信、東海、近畿で使用している世帯が多く、灯油給湯器・風呂がまは寒冷地(北海道、東北、北陸)及び沖縄に多い。 電気ヒートポンプ式給湯機は北陸、四国で2割超の世帯が使用しており、電気温水器は北海道、北陸、中国、四国、九州で1割超の世帯が使用しています。 なお、北海道、沖縄では電気ヒートポンプ式給湯機より電気温水器を使用している世帯が多い。 太陽熱温水器は中国、四国、九州で3~4%普及している。
引用元:環境省地方別給湯器・給湯システム[%(複数回答)]
電気ヒートポンプ式給湯機 (エコキュートなど) 電気温水器 ガス給湯器・風呂がま ガス小型瞬間湯沸器 (台所等で専用のもの) 灯油給湯器・風呂がま 太陽熱温水器(タンクと集熱部が一体となっているもの) 太陽熱利用給湯システム(タンクと集熱部が分かれているもの) 北海道 3 12 41 4 44 0 0 東北 15 9 44 9 33 0 0 関東甲信 9 4 83 8 4 1 0 北陸 21 12 52 7 16 0 0 東海 15 6 75 6 4 2 0 近畿 11 7 79 10 2 1 0 中国 19 16 56 5 11 3 1 四国 21 13 51 5 14 4 2 九州 17 13 60 5 10 4 1 沖縄 5 8 66 2 20 1 0 全国 12 8 71 7 10 1 0
環境省の調べによる地域別での給湯器の設置割合のデータです。
こちらも全体的にはガス給湯器が半数以上を占めていますが、中国、四国、九州、東北地方では15~20%ほどエコキュートなどの電気給湯器が普及しています。沖縄や北海道、東北では石油給湯器の割合も多くなっています。
建築時期別給湯器・給湯システム
新しい住宅に住む世帯ほど電気ヒートポンプ式給湯器の使用率が高く、ガス機器や灯油機器の使用率が低い傾向が見られます。太陽熱温水器については、古い住宅に住む世帯では数%程度の世帯で使用されていますが、新しい住宅に住む世帯ではほぼ使用されていません。
引用元:環境省 ![]()
新しく家を建てたときの給湯器の普及割合です。
2005年以降は3割以上の家庭に電気式の給湯器が使われております。データは2011年までなので現在はもっと増えているのが現状です。最近では給湯器だけではなく太陽光発電を家庭に設置して家庭の設備を全て電気式にするスマートハウスも増えてきています。
従来型も含めればまだガス給湯器以外の普及率は2割程度
ただし、上記の数字は高効率給湯器と呼ばれる、エコジョーズ、エコキュート、エコフィールなどの給湯器を対象としているデータで、従来型と呼ばれる給湯器が含まれていません。
給湯器専門誌、キュートピアによると2017年時点における給湯器の総設置台数は468万台でその内の7割が従来型給湯器です。
高効率給湯器のシェアで見ると66%がガス給湯器のエコジョーズ、29%がエコキュートとなっており、その他の最新型(エコフィール、エネファーム、エコワンなど)は高効率給湯器の中でも1~3%程度のシェアしか無いのが現状です。
これからは何の給湯器を付ければいいの?
では、今後給湯器を選ぶ上でどのタイプを選べば良いのか、という点ですが、実際に給湯器交換を行っている業者に直接聞いた話として
『現状ではガス給湯器で十分。うちではイニシャルコストが高いことや修理費用が未知数なこともあってエコキュートやエコワンをオススメすることはまずないよ』
とのことでした。
エコキュートは2023年8月時点での調査で導入費用は30万円~50万円前後~と物によってはかなり低価格化が進んでいますが、それでもまだランニングコストでイニシャルコストを埋めきれていないのが現状です。
オール電化の家の場合はエコキュートを検討、それ以外ではエコジョーズか従来型を自宅のガス使用量に応じて検討する、という形が今後もしばらく続きそうです。