従来型vsエコジョーズvsエコキュート、どれを選ぶべき?

給湯器交換を検討される際、どのタイプを選べば良いのかパっと見ではよく分からない事も多いのではないでしょうか? ランニングコストを抑えられるエコジョーズとエコキュートを比較しているサイトはよく見かけますが、様々なメリット・デメリットがある中、
「結局、私にとって一番良いのはどれ!?」
という点では、本来は「従来型」と呼ばれる給湯器も選択肢に入れるべきです。
CO2を削減できるとか、効率よくお湯を沸かせるとか、エコジョーズ、エコキュートの構造的な説明よりも何よりも、消費者にとって一番は「コスト」です。 ここでは従来型・エコジョーズ・エコキュートそれぞれの特徴を比較して、本当にあなたにマッチした給湯器はどれなのか、分かりやすく解説していきます。
エコジョーズ、エコキュートを取り扱っているメーカーは?
エコジョーズを取り扱っているのはガス給湯器のメーカーで、リンナイ、ノーリツ、パロマなどがあります。 一方のエコキュートを取り扱っているメーカーは電気メーカーでパナソニック、日立、コロナ、ダイキン、三菱、東芝などがあります。給湯器選びの大前提は各家庭の使用状況
エネルギー効率が良く、ランニングコストを抑えられるエコジョーズとエコキュートですが、どちらも初期費用が従来型と比べて高くつきます。
コスト比較をする上で大切なのは「トータルでどちらが安いか」と「何年たてばお得になるのか」といった二点ですが、これは各家庭の使用状況によって大きく変わってきます。
そういった意味では、エコジョーズやエコキュートを選ぶのはやめておいたほうが良いご家庭もあります。 それを判断する上で大切なのが各家庭でのお湯の使用状況を知る事。その目安となるのがガス料金(電気料金)です。
まずは毎月の平均的なガス代(電気代)を把握しよう

従来型とエコジョーズはガス給湯器、エコキュートは電気式給湯器、という違いがありますが、そもそもガスはお湯だけでなく調理にも使いますし、それは電気も同じです。
また、エコジョーズ・エコキュートで抑えられるランニングコストはともに「使った分」ですので基本料金は関係ありません。
私は2人家族で、大凡の月平均のガス代・電気代はどちらも6000円程度ですが、ご家族が多い家庭、仕事で家を空ける事が多く、ガス・電気の使用量が少ない家庭、など状況は様々で、それによってどのタイプを選ぶのがベストか大きく変わってきます。
毎月送られてくる検針票や契約しているガス会社・電気会社のwebサイトなどで、まずは平均使用額を把握しておきましょう。
また、将来的に家族が増える、または家を手放す可能性がある、といった場合にはそれも考慮して使用年数・使用量の増減をある程度想定しておきましょう。
ガス代・電気代の目安金額は?
従来型とエコジョーズで比較した場合 月平均のガス代が1万円を超える家庭ではエコジョーズがお得 が、一つの目安となります。 ノーリツのカタログによるとエコジョーズは年間のガス代を約13,000円節約できるとあります。
その試算基準は下記の通り
都市ガス:16.5円/kwでの算出です。
ランニングコストは消費税相当額加算前の金額で金額で算出した税抜き価格です。
給湯使用条件(4人家族想定、入水温度は通年で18℃)
- 風呂お湯はり:200L×(42℃-18℃)
- シャワー:12L/分×5分/人×4人=240L×(40℃-18℃)
- 洗面:8L/分×2分/人×4人=64L×(40℃-18℃)
- 台所:6L/分×3分/回×3回=54L×(37℃-18℃)
また、リンナイでは給湯に関するガス使用量を約12%削減できるとあります。 一般的には家庭内でのガスの使用比率は、「給湯8:2キッチン他」と言われておりますますので、月のガス代が1万円、ガス契約の基本料金が1,200円、ガス代の節約率を少なめに見積もって10%とした上で試算すると……
(10,000-1,200)×0.8×0.1=704 となり、月704円の節約、年間で約8,400円程度の節約となりますので、従来型とエコジョーズとのイニシャルコストの差は4~5年程度でペイできる計算となり、エコジョーズの方がオススメとなります。
しかし、月平均のガス代が5,000円程度になると、ランニングコストでイニシャルコストをペイするのに10年以上かかり、従来型、エコジョーズともに寿命は10年前後と言われておりますのでエコジョーズ導入のメリットは無くなります。
この点はあまり説明しているサイトはありません。 メーカーも交換業者さんも単価の高いエコジョーズを勧めたいのは当然ですが、人によっては従来型の方がトータルで安い場合もある、という事は覚えておきましょう。 では、エコキュートはどうかと言うと
- ランニングコストはエコジョーズとの比較で10年でほぼ同等
- 以降はエコキュートに軍配
というのが一般的な見方ですが、これは「4人家族での使用」が目安です。最低でも15,000円程度は月の電気代・ガス代がかかっている事が前提の比較と考えて良く、それでもエコジョーズとのコスト差が埋まるのに10年かかるという事です。
また、エコキュートは機器が大きく設置場所を選ぶ、湯切れの可能性がある、お湯が飲用できない、といった特有のデメリットもあります。 高額すぎる初期費用(50万円~100万円)から導入をためらう人も多く、取り扱っている業者も少ない事から相見積を取る事も難しい為、オススメする理由が見当たりません。

エネファームやエコウィルはどうなの??
これまで説明してきた従来型・エコジョーズ・エコキュートとは違い、ガス給湯器の発熱を利用して発電を行い、電気料金を下げられる事が売り「エネファーム」「エコウィル」という給湯器もあります。
こちらは選択肢に入るのか?結論から言えば現時点では導入メリットはありません。 これはエコキュートと同様にイニシャルコストが非常に高額だからです。
- エコウィルの導入費用は現在60~80万円程度。
- エコウィルの上位互換タイプと言えるエネファームは100万円前後。
- 従来型やエコジョーズ給湯器との価格差をランニングコストでは埋められない
- 導入実績が少なく故障の際に高額の修理費が発生する為製品の10年保証加入(有料)が必須
- 非常に重量が重く設置場所の基礎工事(10~20万円)が必要なケースも
あなたに合った給湯器はどうやって選ぶ??
前述の通り、一般家庭で給湯器交換をされる際に、エコキュート・エコウィル・エネファームらは選ぶ必要がありません。
では、従来型とエコジョーズのどちらを選ぶべきか。 これをご家庭の状況に合わせて解説しているのが給湯器の選び方のページです。
ベストな給湯器がどのタイプか、またその相場や注意点等を説明しておりますので、是非こちらもご活用下さい。
