【2019年版】エコキュート導入費用・相場、ランニングコストの実態まとめ

エコキュートの内情

家庭用では三菱電機、パナソニックや日立などから発売されているヒートポンプ式電気給湯器『エコキュート』。

ここではエコキュートの導入をお考えの方の為に、エコキュートに関する様々な情報をお伝えします。従来型給湯器やエコジョ-ズと何が違うのか、費用面でどちらがお得なのか、徹底的に解説します。

エコキュートとは?基礎知識とメリット

エコキュートとは、従来のガスや石油を燃焼させてお湯を作る給湯器とは異なり、電気を使いお湯を作り出す給湯器です。

エコキュートの特徴1.深夜発電でランニングコストをカットできる

エコキュートは主に深夜に運転し、貯水タンクにお湯を貯めておくシステムです。電気代が安い深夜に運転することでコストを抑え、従来の高効率ガス給湯器エコジョーズよりも光熱費を節約することが出来る仕組みです。

エコキュートの特徴2.太陽光発電・オール電化との相性が良い

エコキュートは深夜にお湯を作りますが、日中も温めたお湯の放熱ロスをカバーする程度には運転します。その際、オール電化のご家庭に設置されている太陽光発電の余剰電力をエコキュートに回す事が可能で、全体的な電力ロスを防ぐことができ、より効率的な電気の使用が可能となります。

2019年エコキュートの最新動向

近年、IoT化の流れとともに、AIを駆使したHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)機器も登場しています。

これは、エコキュートとAIを搭載した機器を組み合わせて、自宅のエネルギーを総合的に管理・効率的に消費する為のもので、「ミルエコmini」などが順次発売される予定です。

自宅のスマートハウス化とエコキュートの導入をお考えの方は下記記事も参考にしてみて下さい。

参考記事:【外部リンク】AI搭載型HEMS「ミルエコmini」とコロナのエコキュート向け新サービス「ソーラーモードプラス」が連携

エコキュートの特徴3.CO²削減に貢献するエコ性能

エコキュートはガスや石油を使う燃焼型給湯器と比べ、CO²排出量が非常に少なくなります。また、普段あまり使われることのない深夜の電力を使用することで、電力需要の均衡化を図ることが出来る為、発電所からの電気ロスを減らしCO²排出量を防ぐ効果があります。環境問題への貢献が出来るのもエコキュートの特徴です。

エコキュートの特徴4.寒冷地に強い

一般に広く普及しているガス給湯器は、寒冷地や冬季において気温が下がると配管が凍ってしまい使えなくなるという弱点があります。一方、エコキュートは使用時に水をお湯に変えるのではなく貯湯タンクにお湯を貯めておくシステムの為、エコキュート自体が凍結防止を兼ねていて給湯器が使えなくなる事がまずありません。※寒冷地仕様と一般地使用があります。

また、給湯以外にも、暖房器具に大量のガス・石油を使う寒冷地の場合、部屋全体や駐車場の凍結防止暖房などを、全て電気で賄えるエコキュートを採用することで、光熱費を大幅に削減できることから、コストに見合った性能があると高い評価を受けています。

エコキュートの導入費用・相場はいくら?

給湯器お得

2009年ごろに一般家庭向けの普及が始まったエコキュートは導入当初は100万円近い高額の給湯器でした。しかし、電気事業者への奨励金制度などの環境整備や価格競争の結果、2019年10月時点での管理人調べによる一般家庭でのエコキュート導入費用は

給湯専用追い焚きオート追い焚きフルオート
370L30万円~31万円~34万円~
460L32万円~32万円~34万円~
550L35万円~36万円~

※工事費用・基本セット(本体・リモコン)コミの総額目安

※化粧カバーやサブリモコン等オプションは含まず

上記のように30万円代まで導入費用の相場が下がってきています。メーカーによる機能の差はあるものの、高効率ガス給湯器であるエコジョーズの交換費用の相場が17~27万円前後である事を考えると、かなり導入しやすい状況になってきたと言えるのではないでしょうか。

エコキュート導入費用の注意点

エコキュートは導入当初からしばらくは故障が多かったことで知られています。その原因は、機器が複雑で電子部品が多い事と水質によるものと言われています。

故障が発生した際の修理費用はガス給湯器と比べると高額な為、コスト比較をする際には単純な導入費用・光熱費のランニングコスト以外にも、故障時のリスクがある事から、設置業者やメーカーの保証がどの程度あるか、といった点も確認しておく必要があります。

エコキュートのランニングコストの実態


※画像はクリックで拡大

エコキュートのメーカー、デンソーでは上記のようなシミュレート結果が掲載されていて、これを単純に当てはめた場合、エコジョーズとの比較において導入費用の差は約7~10年でペイできる結果となります。

また、上記は

  • 毎月の平均ガス使用代金(基本料金は含まず)が約5,000円という計算で
  • 4人以上のご家庭で毎日お風呂に入るようなご家庭ならまず到達する金額の為
  • 床暖房があったり頻繁にお風呂を張り替えるような御家庭であれば、エコキュートの方がよりお得
  • 目安としては毎月のガス代が1万円以上かかっているご家庭ならエコキュートが得

という事になります。さらにあるメーカーの調査では、ガス給湯器を使用している家庭とIHヒーター+エコキュートというオール電化の家庭では、月間の光熱費の差が8,000円を超えるケースもあり、オール電化のご家庭であればエコキュート1択なのは間違いありません。

エコキュートの耐用年数は10~15年

エコキュートが発売されたのは2001年からで、まだそれほど実績はないものの耐用年数は10年~15年と言われています。一般的なガス給湯器と同様に、メーカーが修理部品を保管する義務が10年となっているので、10年目以降に壊れた場合には部品が残っていれば修理も可能ですが、丸ごと交換になるケースも多いです。

エコキュートのランニングコストの落とし穴

ただし、エコキュートには以下の欠点もあります。

  • 旧型は故障によるトラブルが多く、それにより維持費用がかさむ
  • 2014年7月25日にパナソニック製エコキュートの不具合によるリコール事件が発生している

エコキュートの故障リスクはガス給湯器よりも高いことは確実で、その理由は電子部品が多く使われている事から、修理費用が高くなりがちだからです。いつ故障するかについては、導入段階で見極めることは難しいのですが、出来る限り発売日が新しい機種を選ぶ事でリスクは低くなるでしょう。また、その他にも

  • 太陽光と連携しているかどうかでランニングコストが変わる為、単純比較が難しい

といった事情もあります。一口にエコキュートと言っても、全てが太陽光発電と連動しているわけではなく、非対応の機種もあります。

エコキュートを導入する際には、安さだけに釣られて機能が少ない古い機種を選んでしまった、なんて事がないようメーカー・機種もしっかり吟味しましょう。

エコキュートの人気機種は??

エコキュートを発売しているのは、三菱電機、パナソニック、日立、コロナ、ダイキン、東芝の6メーカーです。メーカー別シェアでは三菱・パナソニックがリードし、日立、ダイキン、コロナが後を追う形となっています。

三菱製エコキュートが人気TOP10中5機種

2019年10月の価格.com調べでは、人気売れ筋ランキングTOP10の中に三菱製エコキュートが5機種ランクインしていました。他、パナソニック・日立が2機種、ダイキンが1機種と続きます。

現在の人気機種の性能・特徴については下記記事をご覧ください。

【2019年版】エコキュートのおすすめは?人気機種の価格・メリット・デメリット

エコキュートのデメリット

コスト面や環境への影響といった点ではメリットが多いエコキュ-トですが、下記の様なデメリットもあります。

水圧(湯圧)が弱くなる可能性アリ

シャワーなどのお湯を使う際、ガス給湯器の24号・28号などと比較するとエコキュートは湯圧が低くなりがちです。

その理由は、ガス給湯器が直圧式(水道管直結)なのに対し、エコキュートは貯湯式だからで、エコキュートに必須の減圧弁の存在により、湯圧が下がる機種があります。

シャワーなどを使う際に、お湯がしっかり出ない事にストレスを感じる方の場合、エコキュートを導入した際の湯圧について、実際に体験したり業者から説明を受ける等、しっかり確認しておきましょう。

マンションではエコキュートが設置が出来ないケースも多い

エコキュートは温めたお湯を保管しておく貯湯タンクがセットになっています。その為、一般的なマンション・アパート等の集合住宅では設置スペースが無いため導入することが出来ないケースが多いです。

もしもマンションにお住まいの方でエコキュートの導入を検討されている場合、まずは設置が可能かどうか、事前に必ず確認しておきましょう。

運転時に発生する低周波・騒音による健康被害に注意

またエコキュートの大きな欠点として、深夜にコンプレッサーを稼働させることで発生する低周波の健康被害があります。

群馬県に在住するA氏(50歳代男性)は、平成21年2月頃、不眠、頭痛、めまい、吐き気等を発症した。その後、同年5月頃、A氏の配偶者B氏(50歳代女性)も同じような症状を訴えた。「これらの症状は、隣家の敷地内(自宅から約2m離れた場所)に設置されているヒートポンプ給湯機から生じる低周波音と思われる運転音・振動によるものである。」として、平成24年10月、A氏及びB氏は調査委員会に事故等原因調査等の申出を行った。

~中略~

低周波音固有の人体への影響の有無及びそのメカニズムには不明な点もあるため、現時点においては、ヒートポンプ給湯機の運転音による不眠等の健康症状の発生を根本的に防ぐ対策を示すことは困難であるが、健康症状発生のリスクをできるだけ低減するとともに、より根本的な再発防止策の検討と発症時の対応の改善を進めるため、経済産業省、環境省、消費者庁及び公害等調整委員会は以下の取組を行うべきである。

引用:消費者安全調査委員会 消費者安全法第23条第1項に基づく 事故等原因調査報告書

エコキュートが発する低周波と健康被害については、結論として明確な因果関係は認められていません。加えて、個人差があることが確認されていますが、影響が無かったとは言い切れない、として意見書が提出されています。

深夜に駆動するエコキュートは、騒音の問題もあります。設置場所によっては、ご自身やご家族のみならず隣人への影響も考えられるため、エコキュートの導入にはこの点にも配慮する必要があります。

エコキュートvsエコジョーズ 導入するならどっちがオススメ?

メーカーはどこがいい?

2019年10月時点での調査では、単純なコスト面だけを見た場合、エコキュートも十分に導入を検討するに値します。しかし前述するデメリットも多いことから、下記のような形がオススメです。

エコキュートはこんな人にオススメ
  • 4人以上のご家庭でオール電化へのリフォームやオール電化の新築戸建てをお考えの方
  • 毎月のガス代の平均が1万円を超えるようなご家庭で一軒家住まいの方
  • 健康被害を防ぐための予防策がしっかりと講じられる方

上記に該当しない方の場合は、エコジョーズや従来型のガス給湯器で問題ないでしょう。

導入費用が以前より安くなり、光熱費も削減できるエコキュートの需要はこれからも増えていく事が予想されますが、導入できるご家庭はまだ限られているのも実情です。今後の給湯器交換において、どちらがいいのかは、メリット・デメリットをしっかり把握した上で、検討されることをオススメします。

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エコキュートは災害に強い?災害時の実態

エコキュートの利点の一つとして貯湯タンクの存在があります。貯湯タンクがあるエコキュートは、断水したりガスが止まったりしてもお湯を使う事が出来る為、災害に強いと言われてきました。

2011年の東日本大震災では評価を高めた

このエコキュートの特性が良い結果をもたらしたのが東日本大震災の時です。地震と津波によってライフラインが寸断された中、震災後に最初に復旧したのが電気でした。

電気を使う医療機器が使用不可能になると人々の命に直結する事から、災害時には電気が最優先で復旧されます。

これにより、震災時に自宅の損壊を免れたご家庭では、エコキュートの貯湯タンクでお湯を使う事が出来るようになり、3月の厳しい気候を乗り切る事が出来ました。

2019年の千葉県台風被害では脆弱性も露わに

一方で2019年の台風15号による被害に見舞われた千葉県では、逆の現象が起きました。

エコキュートは貯湯タンクにお湯はあっても、電気が無ければ出湯する事ができません。オール電化のご家庭では、エコキュート以外にもIHヒーターも使用できず、お風呂にも入れず料理も出来ない事態となりました。

ガスが一切導入されていないオール電化のご家庭にはこのようなリスクもあり、電気の復旧が遅れた2019年の台風15号のケースでは、乾電池や小型発電機でも動かせるガス給湯器やガスコンロの方がエコキュート・IHヒーターよりも結果として役に立ち、それゆえ災害時にはオール電化よりもガスと電気を切り離した形の方が強い、という説も高まりました。

災害リスクはあくまで別物

ここからは筆者の私見ですが、災害リスクと給湯器(オール電化)の選択は切り離して考えるべきでしょう。一口に災害と言っても上記の通り、地震・津波・台風・火事等々様々なケースがあり、その全てに対応できる給湯器などありません。

災害時のリスクヘッジは、全ての機器が使用できないケースを想定すべきで、防災グッズを揃えておいたり、避難場所・避難経路を確認しておいたりする事の方が大切です。

給湯器はあくまでも日常生活を基準に導入費用やランニングコストを勘案し、ご自身のライフスタイルに合致する物を選んで頂ければと思います。

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