給湯器の保証とは、無償で修理や交換、不具合の調整などを行なえる制度のことです。
給湯器は一度壊れると、数万円から数十万円の修理費や交換費用がかかることもしばしば。
そのため無償で修理できる保証期間は、長い方が安心です。
そこで本記事では給湯器における保証期間の種類や、延長する方法について詳しく紹介します。
保障が効かないケースについても解説するため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
給湯器交換の際に使われる保証の種類
給湯器につけられる保証は、大きく2種類に分けられます。商品保証 | ・メーカー保証 ・延長保証 ・交換業者の独自商品保証 |
工事保証 | – |
なかでも商品保証はメーカーや交換業者(設置業者)それぞれが独自に設けている場合があるため、さらに3種類に分かれます。
メーカー保証は基本的にどの給湯器にもつくものですが、ほかの保証は業者によってつかない場合もあります。
また、期間や保証の適用範囲が異なる場合も。
ではそれぞれの保証について、詳しく見ていきましょう。
商品保証
商品保証とは、給湯器そのものに対する保証です。
基本的には商品保証の期間内であれば、給湯器でエラーが出た場合や壊れた場合に無償で修理・交換してもらえます。
また、商品保証の期間は以下の3種類に分けられます。
- メーカー保証
- 延長保証
- 給湯器交換業者独自の商品保証
メーカー保証
メーカー保証は、給湯器のメーカーが設けている保証期間のことです。
基本的には無償で、期間は1〜2年と設定されていることが多い傾向にあります。
しかし給湯器の寿命は長く、およそ10年ほど使えるため1〜2年では故障や不具合を起こさない場合がほとんどです。
多くの場合は5年や8年を過ぎてから調子が悪くなるため、メーカー保証は利用せずに期間を満了する人も少なくありません。
メーカー保証を使えばメーカーのスタッフが直接点検に来て修理してくれるため、安心感があります。
そのため、有償で延長しておくのもおすすめです。
ただしメーカーの修理部門は、安さとスピードを売りにしている修理専門業者とは異なるため、基本的に即日駆けつけはできないと考えておきましょう。
特に冬場など、給湯器の修理が混み合っている場合は1週間以上待つ場合もあります。
エコキュートはメーカー保証期間が長い
給湯器のなかでも、エコキュートは例外的に保証期間が長く設定されています。
なぜなら、エコキュートはほかの給湯器よりも複雑な構造をしている精密機械だからです。
代表的なメーカーの保証期間は、以下のとおりです。
メーカー | 本体 | 冷媒回路 | タンク |
---|---|---|---|
ダイキン | 1年 | 3年 | 5年 |
パナソニック | 1年 | 3年 | 5年 |
日立 | 1年 | 3年 | 5年 |
三菱電機 | 2年 | 3年 | 5年 |
東芝 | 5年 | 5年 | 5年 |
コロナ | 2年 | 3年 | 5年 |
上記のとおり、エコキュートの保証期間は部品によって分かれています。
特にタンクは詰まりや劣化を起こしやすい部品のため、各メーカー5年の保証期間を設けているのが特徴です。
またエコキュートの司令塔といえる冷媒回路も、複雑な構造の精密機械であるため3〜5年の保証期間が設けられています。
このように、給湯器のなかでもエコキュートは保証期間の設定が異なることを把握しておきましょう。
そのほかの一般的な給湯器のメーカー保証については、後の見出しで具体的に紹介します。
延長保証
メーカーの保証期間を延長したものが、延長保証です。 メーカーによっては3年や5年、7年といった保証期間にできる場合があります。- 「何かあったときはメーカーの人に修理してもらいたい」
- 「万が一のとき修理を依頼できそうな業者が近所にない」
- 「修理のためだけに業者を探すのが手間だ(不安だ)」
上記のように考えている人は、メーカー延長保証を利用しておくと安心です。
延長保証にかかる料金はメーカーによりさまざまですが、安ければ8,000円ほどで加入できる場合もあります。
給湯器は点検やちょっとした部品交換だけでも、数万円かかることは珍しくありません。
そのため、壊れたときに修理代を支払うよりも延長保証に加入しておいたほうが出費を抑えられてお得になる可能性が高いです。
メーカーごとの延長保証については、後の見出しで具体的に解説します。
所有者登録すると無償で保証期間を延長できる場合がある
メーカー保証が無償で延長できる場合もあります。
それは屋外設置型の給湯器で「所有者登録」した場合です。
所有者登録とは、誰がその給湯器を使っているのかメーカーに登録しておくことを指します。
屋内設置型の給湯器は所有者登録が義務付けられています。
しかし屋外設置型の場合、所有者登録は任意です。
そのため一部のメーカーでは「所有者登録すれば、メーカー保証を一定期間延長しますよ」といった取り組みを実施しています。
無償延長保証の取り組みを行なっているのは、主に下記のメーカーです。
メーカー | 無償延長保証の内容 |
---|---|
リンナイ | 所有者登録後、3年まで延長可能 |
パロマ | BRIGHTSシリーズ(エコジョーズ)のみ所有者登録後、5年まで延長可能 |
エコジョーズを設置する場合、パロマが最もメーカー保証を長くつけられます。
それ以外の場合は、リンナイで所有者登録すると3年までメーカー保証を受けられるためおすすめです。
屋外設置型の給湯器をご利用の場合は、ぜひ所有者登録してください。
所有者登録は、ハガキの送付またはインターネット上で簡単に行えます。
個人情報をメーカーに送るだけで、それ以外の手間やデメリットはありません。
給湯器交換業者独自の商品保証
給湯器交換(設置)業者が独自に設けている商品保証期間もあります。
この保証は工事保証とは異なり、本体の修理や部品交換に適用できる保証です。
こうした保証を設けていない交換業者もいますが、保証がある場合は5年以上に設定されているケースが多いです。
具体的には、以下のとおりです。
交換業者 | 無償の商品保証期間 |
---|---|
キンライサー | 10年 |
交換できるくん | 3年 ※有償(1万9,800円~)オプションで10年まで延長可能 |
湯ドクター | 7年 |
イースマイル | 2年 ※有償オプション(要お問合せ)で10年まで延長可能 |
メーカーの延長保証制度を使わずに、無償で長い期間保証を受けられます。
ただし一般的なメーカー保証とは異なり、どんな不具合も無償で修理してもらえるとは限りません。
たとえばキンライサーに依頼して2020年5月9日以前に給湯器を設置した場合、保証上限金額は本体とリモコンの購入価格までとされています。
また、上記に加えて1回の修理代5万円までです。
このように、設置業者ごとに細かい条件が設定されている場合があります。
給湯器交換業者独自の商品保証を利用する場合は、適用条件を事前にチェックしましょう。
工事保証
交換や設置を依頼する専門業者は、工事保証を設けている場合があります。
工事保証とは、給湯器本体ではなく施工の不良や劣化に対して適用できる保証です。
たとえば設置時に配管の接続が甘く水漏れしてしまった場合や、設置に不手際がありお湯が出ない場合など。
また、配管に巻きつけられた断熱材が劣化してしまった場合の巻き直しなどに、工事保証が使えます。
こうしたトラブルは給湯器本体が壊れているわけではないため、メーカー保証は使えません。
工事に関する保証は設置業者や交換業者が提供するものだけとなるため、業者を選ぶ際は工事保証の範囲や期間をよく確認しておきましょう。
代表的な交換業者の具体的な保証期間は、以下のとおりです。
交換業者 | 無償の商品保証期間 |
---|---|
キンライサー | 10年 |
交換できるくん | 10年 |
湯ドクター | 10年 |
イースマイル | 12年 |
保証期間を設けている業者であれば、施工時に手を抜いたりいい加減な施工をしたりする心配もありません。
つまり工事保証の有無は、信頼できる業者を探す判断材料としても活用できます。
また、工事保証が付いていても、設置費込みで安い業者は多数あります。
業者を選ぶ際は相見積もりをして、安いだけでなく保証がついている交換業者を探しましょう。
給湯器の代表的なメーカーによるメーカー保証
給湯器の代表的なメーカーの商品保証は、以下のとおりです。メーカー | 保証内容 | ||
---|---|---|---|
一般的な給湯器 | BL認定品に該当する給湯器 | 備考 | |
リンナイ | 1年 | 2年 | 所有者登録で最大3年まで延長可能 |
ノーリツ | 1年 | 2年 | |
パロマ | 1年 | 2年 | 所有者登録で最大5年まで延長可能 |
パーパス | 1年 | 2年 |
BL認定品について
上記表のとおり、給湯器のなかでも一般的な製品とBL認定品で保証期間が異なります。
BL認定品とは、財団法人ベターリビングが認定した優秀な優良住宅部品のことです。
具体的には品質や価格、サービスなどが優れていることを認定された製品を、BL認定品と呼びます。
BL認定品の給湯器にはメーカー保証のほか2年間の賠償保険が付くため、結果的に商品保証が2年になる仕組みです。
特にガス給湯器ではBL品の販売が主流になっており、ほとんどのガス給湯器がBL品だと考えて良いでしょう。
お使いの給湯器がBL品かそうでないか見分けるには、給湯器に「BL」と書かれた赤いシールが貼ってあるかどうかを確認します。
なおBL品だからといって、極端に本体価格が高くなることはありません。
一般的な給湯器との価格差は、2,000円前後である場合が多いです。
またBL品は内部の部品が最低でも10年間製造され続けるため、「交換部品の製造が終了しており修理できない」といった事態にも陥りにくいのが大きなメリットといえます。
一方、一般的な給湯器は最低でも7年間部品を製造すれば良いとされています。
そのため製造終了した部品が壊れると、給湯器そのものを買い替えるしかなくなるリスクが高いのです。
給湯器の代表的なメーカーによる延長保証
給湯器の代表的なメーカーの商品延長保証は、以下のとおりです。メーカー | プラン名 | 延長後の保証期間 | 備考 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
5年 | 7年 | 8年 | 10年 | |||
リンナイ | ワランティV | 3,000~7,500円 | 4,000~1万円 | 4,500~1万2,000円 | 5,500~1万6,100円 | ・保証額は、累計の修理費用が本体価格に相当するまで ・1回の修理限度額は5万円まで |
ノーリツ | 安心プランS | 4,400~9,400円 | 5,000~1万2,400円 | – | 2万5,400~5万円 | ・保証額は、累計の修理費用が本体価格に相当するまで |
パロマ | HOT安心システム | 3,600~6,000円 | 4,800~7,200円 | 9,600~1万2,000円 | 1万5,600~1万8,000円 | ・保証額は、累計の修理費用が本体価格に相当するまで |
パーパス | 5年・7年延長保証システム | 6,200~8,600円 ※BL品の場合:5,000~7,000円 | 1万~1万3,500円 ※BL品の場合:8,000~1万1,000円 | – | – | – |
保証料は、保証期間と製品の種類によって異なります。
特に浴室暖房乾燥機機能がついている給湯器は、延長保証料も高額になる傾向があります。
しかし基本的にはどのメーカーも最低数千円から延長保証をつけられるため、1回でも修理をすれば元が取れる可能性が高いです。
また保証を使わなくても、延長保証の満了時には多くの場合「満了点検」が行われます。
この点検は、給湯器の劣化や部品交換の必要がないか確認するものです。
給湯器を問題なく使えていても、必要に応じて修理してもらえるため未然に故障を防ぐといった点でも安心です。
ただしほとんどのメーカーでは、保証を適用した修理額の累計が本体価格に達した場合、保証終了となるため注意しましょう。
たとえば15万円の給湯器を購入し、保証期間の間に5万円相当の修理を無償で3回行なった場合、それ以降保証は使えないということです。
注意!保証が効かないのはこんなケース
保証期間内であっても、以下の場合は保証が使えない可能性が高いです。- 故意・過失で壊してしまったケース
- 自然災害によって壊れてしまったケース
また上記のほかにも、メーカーによっては一部の部品だけ保証対象外としている場合もあります。
壊れたらどのような場合でも修理してもらえるわけではないため、注意しましょう。
新たに給湯器を購入する際は、保証の適用外となる条件をあらかじめ確認しておくと安心です。
故意・過失で壊してしまったケース
故意や過失で給湯器を壊してしまった場合、保証が適用できない可能性が高いです。
具体的には以下のとおり。
- 自分で修理しようとして壊してしまった
- 物をぶつけてしまい、給湯器本体が傷付いてしまった・凹んでしまった
- 子どもがいたずらをしてリモコンの調子がおかしくなってしまった
- 入浴剤不可の給湯器で入浴剤を使用し、配管が詰まってしまった など
あまり故意に給湯器を壊すことはありませんが、上記のとおり思いがけず給湯器が壊れてしまうケースはあります。
この場合、自然な劣化や商品そのものの不良ではないため保証が使えない可能性が高いです。
自然災害によって壊れてしまったケース
自然災害も、保証の適用外になる場合があります。
たとえば以下のとおりです。
- 地震
- 台風
- 火災
- 雷
- 凍結
特に凍結は冬場、誰にでも起こり得ます。
通常給湯器の内部は凍結防止ヒーターが働いて守られますが、配管の凍結は自分で断熱材やヒーターを巻きつけるなどして予防する必要があります。
また大きな地震や台風で内部の接触が悪くなり、お湯が出なくなることもしばしば。
このようなケースの多くは、保証が使えないと把握しておきましょう。
保証が使えなくても保険が使える場合がある
メーカーや交換業者の保証が使えなくても、保険で修理費をまかなえる場合があります。
給湯器の修理に適用できる可能性がある保険は、主に以下の2種類です。
- 火災保険
- 借家人賠償責任保険(賃貸物件にお住まいの場合のみ)
特に自然災害が原因で給湯器が壊れた場合は、上記保険の適用を検討しましょう。
加入している保険の種類によっては、無償で給湯器を修理できる場合があります。
保険の適用条件を見直し、保証対象になるかチェックしましょう。
保証を利用して修理するか、交換するかの判断ポイントは?
修理するか交換するかは、給湯器の寿命を目安に検討しましょう。
給湯器の寿命は一般的に10年とされています。
また、給湯器の内部に使われている部品の供給も7年〜10年ほどです。
そのため、設置して7年を過ぎたころから交換を検討しはじめることをおすすめします。
10年以上同じ給湯器を使える場合もありますが、完全に壊れてから交換すると交換完了までの間、お湯が使えず不便な生活をすることになります。
また時期によってはなかなか在庫がなく、良い交換業者が見つからないケースもしばしば。
できるだけ寿命を迎える前に、交換を検討しておきましょう。
保証やアフターケアも業者選びの重要な要素
給湯器を購入する際は、保証やアフターケアも非常に重要なポイントです。
本体の安さだけでなく、ぜひこうした点にも目を向けて業者選びをしてみてください。
アフターフォローの充実した業者は、施工の品質にも信頼が置けます。
設置後、安心して生活するためにもぜひ保証を重視してはいかがでしょうか。
ちなみに、給湯器の業者選びについてはこちらの記事がヒントになると思いますのでぜひ読んでみてください。
給湯器の交換はどこに頼む?7つの依頼先の特徴と頼む際のポイント
私が実際に依頼した業者はこちら!
イースマイル
画像引用:イースマイル
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株式会社イースマイルの特徴
テレビCMでもよく見かけ、安心感のある給湯器交換業者です。24時間365日受付対応で、最短20分で駆けつけてくれる対応力は非常に魅力的です。実際にこちらの業者に施工を依頼しましたが、受付スタッフの対応から、作業スタッフの対応まで、非常に親切丁寧で信頼できます。給湯器交換は決して安価ではないので、クレジットカード払いにも対応してくれていてとても助かりました。拠点も全国に38箇所あるようなので、どのエリアから依頼しても比較的迅速に対応してくれると思います。
追記(2022.2.2)
HP上には「全てのサービススタッフがワクチン接種済み」と記載されており、空間除菌装置を持参して交換・修理作業を行うとありますので、新型コロナ対策をきちんとしており、その点では安心して依頼できるかと思います。