給湯器は、蛇口やシャワーから瞬時にお湯を出せるような仕組みとなっています。
しかし詳しい仕組みについて、知っている人は少ないでしょう。
そこで本記事では、ガス給湯器の仕組みについて基礎知識を解説します。
自宅でのDIYについても説明するため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
給湯器がお湯を作る仕組み
ガス給湯器がお湯を作る仕組みは、簡単に説明すると以下のとおりです。- 1. 給湯器内でガスが燃焼し、熱が発生する
- 2. 水が熱で温められた一次熱交換器を通過することでお湯になる
ガス給湯器の中ではコンロのようにガスが燃焼し、炎が上がっています。
その炎で、一次熱交換器と呼ばれる銅製の部品に熱が伝わる仕組みです。
一次熱交換器は、水が通る配管に沿って設置されています。
そのため、水は流れながら一次熱交換器の熱で次第に温まっていくのです。
そして蛇口から出るときには、設定温度のお湯になっています。
給湯器の内部にこもった熱は排気と共に、外へ出される仕組みです。
エコジョーズがお湯を作る仕組みとの違い
エコジョーズは通常のガス給湯器と異なり、熱交換器が2つあります。
一次熱交換器の手前に二次熱交換器を設置することで、一次熱交換器で無駄になった余剰熱を活用できる仕組みです。
蛇口をひねると、配管を流れる水はまず余剰熱を使った二次熱交換器により温められます。
そしてある程度温まったうえで一次熱交換器を通過するため、通常のガス給湯器よりも少ないエネルギーで効率よくお湯を沸かせるのです。
排気の温度は通常200度前後ですが、エコジョーズは二次熱交換器があるため50~80度まで抑えられます。
当然排気の量も少ないため、エコジョーズは省エネでお得な給湯器なのです。
給湯器に使われる各部品の役割
ガス給湯器には、さまざまな部品が使われています。
ここからは、そんなガス給湯器の主要な部品について見ていきましょう。
なおこれから紹介する部品は、ガス給湯器本体の内部にあるものです。
本体を修理または部品交換するには、液化石油ガス設備士といった資格が必要になります。
自分で修理するとガス漏れや水漏れが起きるリスクがあるため、安易に本体を開けて部品を動かすのはやめましょう。
水量センサー
水量センサーとは、ガス給湯器本体に流れてきた水の量を計測する機械です。
水が流れてくると自動的に起動し、水を計測します。
水量センサーはプロペラ状になっており、水が流れてプロペラをある程度回すことで給湯器が稼働し始めます。
そのため、水量センサーが壊れてプロペラがうまく回らない、または水量を計測できないと、給湯器が稼働せずお湯が作れなくなる場合があります。
ファンモーター(燃焼ファン)
ファンモーターは、ガスを燃やす際に必要となる空気を送る部品です。
ガスを燃焼させるには、充分な酸素が必要となります。
そこでファンモーターが回ることで、常に新しい空気を送り込める仕組みです。
なおファンモーターは、再度お湯を沸かすときのためにお湯を止めたあともしばらく回り続けます。
蛇口を止めてもファンモーターが回っているのは、故障ではありません。
ただしある日突然異音がする、またはモーター音が急に大きくなったといった場合には修理が必要です。
イグナイター
イグナイターとは、ガス給湯器内の点火装置です。
ガスを燃やすため、イグナイターが給湯器内部に火花を発生させます。
そのため、ガス給湯器の着火不良はイグナイターの故障である可能性が高いです。
使っていくうちにイグナイターの電極は消耗していくため、着火不良はイグナイターの部品交換で直るケースが多数。
また大雨のあとで給湯器内部が湿っており、うまく点火できない場合もあります。
この場合は天気が良くなって給湯器内部が乾燥すれば、再度着火できます。
ガス電磁弁
ガス電磁弁は、ガスを止めたり流したりするための弁です。
ガス電磁弁が開くと給湯器内にガスが流れ、閉じるとガスの流れが止まります。
給湯器のリモコンや蛇口と連動して動いており、ガス電磁弁が機能することでお湯の温度を細かく調節できます。
水量サーボ
水量サーボは、給湯器の能力を最大まで引き出すための部品です。 以前は水量サーボの代わりに自動水量制御装置という部品が使われていました。
しかし自動水量制御装置は設定温度に応じて湯量を一定に調節する機能を持つため、号数通りのお湯を出せないケースがあります。
一方水量サーボは、どのような設定温度でも号数通りの最大湯量を出せる機能を持ちます。
そのため、湯量が以前より少なくなったり安定しなかったりする場合は、水量サーボの故障である可能性が高いです。
バイパスサーボ
バイパスサーボは、給湯器内で熱湯を設定温度のお湯に調節するための装置です。
ガス給湯器は内部で一度熱湯を作り、そこに水を加えて設定温度のお湯にします。
このとき加える水の量を調節しているのが、バイパスサーボです。
バイパスサーボが機能することで、安定した温度のお湯が使えます。
また一度お湯を止めて再び使う際も、急にお湯が熱くなったり冷たくなったりしないように制御するのがバイパスサーボの機能です。
過熱防止装置(温度ヒューズ)
過熱防止装置は、ガス給湯器本体が過剰に熱をもってしまわないように搭載されている安全装置です。
過熱防止装置は熱交換器やガスが燃える部品の周辺に搭載されており、一定以上の熱を感知すると自ら断線して給湯器を停止させます。
一度断線すると自動で修復しないため、部品の交換が必要です。
給湯熱交換器
給湯熱交換器は、ガスが燃えた際に発生する熱で水をお湯に変えるための装置です。
一般的なガス給湯器には1つの熱交換器が搭載されていますが、エコジョーズは熱交換器が2つあります。
寿命は、ガス給湯器本体の寿命と同等です。 万が一交換が必要となった場合は、3~5万円ほどの交換費用がかかります。
漏電安全装置
漏電安全装置は、いわゆるブレーカーです。
家の電気のブレーカーと同じく、漏電や過剰な電気を感知すると自動的に作動します。
漏電安全装置が作動するとガス給湯器の電源が落ち、お湯が使えなくなります。
漏電したときだけでなく雷が落ちて作動する場合があるため、急にお湯が出なくなった場合は漏電安全装置が作動していないか確認しましょう。
漏電安全装置は給湯器本体の外側に設置されており、スイッチのように簡単に操作できます。
ふろ熱交換器
ふろ熱交換器は、追い焚きした残り湯をより高温のお湯にするための装置です。
先に紹介した給湯熱交換器は、新しく水からお湯を作るときに使います。
一方、ふろ熱交換器は浴槽のお湯を回収し、温めて再度浴槽へ戻すときに稼働します。
仕組みは給湯熱交換器とほとんど変わりません。
サーミスタ
サーミスタとは、給湯器内を流れる水やお湯の温度を測る部品です。
給湯サーミスタやふろサーミスタ、熱交換サーミスタなど、給湯器内部の各所に設置されています。
万が一サーミスタが故障すると、お湯が極端に熱くなったり冷たくなったりする場合があります。
この場合、サーミスタの部品交換で直る場合が多いです。
フレームロッド
フレームロッドは、給湯器内部の炎を検知する部品です。
イグナイターが稼働し、フレームロッドが正常な温度の炎を検知すると、ガス電磁弁が開いて給湯が開始されます。
反対にフレームロッドが劣化や故障、汚れなどで正常に検知できなくなると、安全のためにガス電磁弁が開かなくなります。
結果的に、お湯が出なくなるといった故障が起きることもしばしばあります。
点火プラグ
点火プラグはイグナイターと連動して、火花を発生させる部品です。
点火プラグとイグナイターどちらが劣化したり壊れたりしても、正常にガスを燃焼できません。
着火不良が起きた際は、点火プラグとイグナイター両方を確認のうえ、必要に応じて交換します。
水位センサー
水位センサーは浴槽内にどれくらいお湯が溜まっているか計測する部品です。
水位センサーが正常に稼働することで、自動湯張りや足し湯が可能になります。
水量センサーが壊れると、自動湯張りしてもお湯が出続けたり、反対に出なくなったりすることがあります。
循環ポンプ
循環ポンプは、追い炊きに必要な部品です。
浴槽に溜まった残り湯を追い焚き用の配管に戻し、設定温度まで温めたあと再び浴槽へお湯を流します。
電装基板
電装基板は、ガス給湯器の司令塔ともいえる部品です。
お湯の温度や水量、ガスの出力などを計測し、設定温度のお湯を作るよう各部品を動かします。
基盤は構造が非常に複雑であり、本体だけで3万円ほどかかります。
そのため基盤の交換が必要になる場合、修理費用は4万円以上になることも珍しくありません。
なお近年では基盤が汚れや虫などによって簡単に壊れてしまわないよう、樹脂でコーティングされています。
凍結予防ヒーター
凍結予防ヒーターは、ガス給湯器本体の凍結を防ぐための部品です。
内部が0〜5℃になると稼働し、給湯器内部を温めます。
これにより、凍結による故障やお湯が出なくなるリスクを軽減できます。
ただし凍結予防ヒーターは、あくまで本体内部を守るための装置です。
配管は別途保温剤やヒーターを巻いて、保護しましょう。
COセンサー
COセンサーは一酸化炭素の濃度を計測し、一定量以上になると給湯器を停止させる部品です。
すべての給湯器に搭載されているわけではなく、主に屋内に設置するタイプの給湯器に搭載されています。
給湯器修理・交換はDIYでも大丈夫?
給湯器の修理や交換には、以下の資格が必要です。- 給水装置工事主任技術者
- 液化石油ガス設備士
- ガス可とう管接続工事監督者
- ガス機器設置スペシャリスト
- 特定ガス消費機器設置工事監督者
そのため、無資格で給湯器を分解したり部品交換したりするのは避けましょう。
なかには自分でDIYしている様子をブログや動画にアップしている人もいますが、非常に危険です。
無資格での作業は火災や一酸化炭素中毒、ガス漏れといった危険性が伴うことを把握しておきましょう。
ただし、配管の保温材を巻きなおしたり凍結防止ヒーターを巻き付けるといった作業は、自分でも可能です。
配管回りの劣化が気になる場合や、凍結が心配な場合はホームセンターや通販で部材を購入し、自分でDIYしても問題ありません。
給湯器の仕組みは複雑なので、修理・交換の際は業者へ
ガス給湯器は数多くの部品が搭載されており、それらが連動し合って複雑に動いています。
仕組みそのものは簡単に見えても、自分で修理したり部品交換したりするのは危険です。
万が一事故が起きると自分の命が危ないだけでなく、近隣の迷惑にもなります。
安全にガス給湯器を使い続けるためにも、故障や不具合が起きたら専門の業者へ連絡しましょう。
私が実際に依頼した業者はこちら!
イースマイル
画像引用:イースマイル
【大阪本社】大阪府大阪市中央区瓦屋町3丁目7-3 イースマイルビル
その他全国38拠点
電話番号:0120-222-794
公式HP:https://www.esmile-24.com/waterheater/
営業時間:365日24時間受付対応
保証:施工保証12年・商品保証最大10年
支払い方法:現金・クレジットカード・銀行振込・各種モバイル決済
取扱メーカー:リンナイ、ノーリツ、パロマ
施工スタッフの資格明示:〇
株式会社イースマイルの特徴
テレビCMでもよく見かけ、安心感のある給湯器交換業者です。24時間365日受付対応で、最短20分で駆けつけてくれる対応力は非常に魅力的です。実際にこちらの業者に施工を依頼しましたが、受付スタッフの対応から、作業スタッフの対応まで、非常に親切丁寧で信頼できます。給湯器交換は決して安価ではないので、クレジットカード払いにも対応してくれていてとても助かりました。拠点も全国に38箇所あるようなので、どのエリアから依頼しても比較的迅速に対応してくれると思います。
追記(2022.2.2)
HP上には「全てのサービススタッフがワクチン接種済み」と記載されており、空間除菌装置を持参して交換・修理作業を行うとありますので、新型コロナ対策をきちんとしており、その点では安心して依頼できるかと思います。