給湯器の修理や交換は自分で行なってはいけない
給湯器の交換を自分でもできるのかと考える人がたまにいますが、そもそも給湯器の修理や交換は国が定める資格保有者しか施工してはなりません。いくら知識をつけていたり、腕に自信があるという方でも自分で作業をしようとは思わないようにしてください。
本体そのものを壁などに設置するところまでは無資格でも可能ですが、ガス・水道の配管との接続や、電気設備の変更には国家資格が必要で、無資格施工は犯罪です。
仮に電気関係の工事を無資格で行った場合には、電気工事士法違反として、30万円以下の罰金か1年以下の懲役が科せられます。
ちなみに給湯器の施工に必要な資格には以下のようなものがあります。
- 液化石油ガス設備士(国家資格)
- ガス機器設置スペシャリスト/GSS(民間資格)
- ガス可とう管接続工事監督者(公的資格)
- ガス消費機器設置工事監督者(公的資格)
- 日本ガス協会 簡易内管施工士(民間資格)
- TES工事士(民間資格)
- 給水装置工事主任技術者(国家資格)
給湯器の業者に施工を依頼する際に、こういった資格があればあるほど信用度が高いと判断してよいでしょう。
中には施工をする上で必須とも言える資格がありますが、必ずしも必要でない資格もあるため注意しましょう。
しかし、給湯器や水まわり、ガスを触る上での知識が多いことを証明するものなので多いに越したことはありません。
こんな症状が出た時は業者に相談しましょう
給湯器にはさまざまなトラブルが起きる可能性がありますが、以下のような症状が出た場合は業者に相談しましょう。- お湯が出ない
- お湯が出るまで時間がかかる
- 異音が聞こえる
- エラーコードが表示されている
お湯が出ない
水栓からお湯が出ない場合、まずは家の水栓を全て確認し、一箇所の水栓しか出ない場合は給湯器ではなく蛇口や水栓が壊れている可能性がありますが、その他の水栓からもお湯が出ない場合は給湯器本体のトラブルである可能性があります。
その際、ガスコンロ等の他のガス機器もチェックし、ガスの供給に問題が無い場合は給湯器本体のトラブルですので、業者に相談しましょう。
お湯が出るまで時間がかかる
お湯が出るまでに時間がかかる場合、給湯器の点火不良などの内部部品の故障や寿命である可能性があるため、業者による修理・交換が必要になる可能性があります。
例えばお風呂でお湯を使う際に、シャワーから初めは水が出て、その後お湯になるという現象があると思いますが、あれは配管自体に溜まっている水が最初に流れ、その後給湯器で温められたお湯が出るため基本的には正常な現象です。
しかし、給湯器の点火不良などの故障が起きている場合は、水が温められてお湯になるまで時間がかかるため、最初の水が流れる時間も必然的に長くなります。
ですので、水温の下がっている冬でないのにもかかわらず以前よりもお湯になるまで時間がかかると感じた場合は一度業者に相談したほうがよいでしょう。
異音が聞こえる
給湯器が作動するとさまざまな音がし、中には不具合を示すような音もあります。
例えば「ピーピー」と汽笛や笛のような高い音はファンモーターの不具合や燃焼状態に異常がおきている可能性があり、「ボンッ」という小さな爆発音が聞こえた場合は、給湯器内部の燃焼系装置や電装系装置に異常が起きている可能性が考えられます。
一方で問題なく作動していても聞こえる音もあり、例えば「ブーン」や「ウィーン」という音は給湯器の代表的な正常音で、ファンモーターが回転している音、「ジュージュー」「シュー」という音は給湯器内部の水滴が蒸発する音です。 給湯器内の結露で発生した水滴や入り込んだ水滴などが給湯器内部の熱によって蒸発する音ですべて問題無い音です。
日々、給湯器を使用しているなかで聞き慣れない音が聞こえてきた場合には給湯器のトラブルである可能性がありますので、心配に感じた方は業者に相談しましょう。
エラーコードが表示されている
エラーコードとは給湯器のリモコンに表示される英数字のことで、給湯器自体に問題が発生した場合に画面に表示されることがあります。
エラーコードの中には問題が発生していないのにも関わらず表示されるものもあり例えば「888」または「88」は給湯器の点検時期を知らせる意味のエラーコードです。
また、エラーコードの中にはリモコンの再起動を行なうことで再び問題なく使える場合もありますが、すべてのエラーコードには意味があり、すぐに使用を中止し業者を呼ぶ必要があるものもあります。
ですので、エラーコードが表示された場合にはその意味を調べ、必要であればすぐに業者に連絡・相談をするのが望ましいです。
給湯器メーカーの違いによってどんな差がある?
リンナイやノーリツ、パロマなど給湯器を扱っているメーカーは多数ありますが、結論、メーカーによって給湯器の能力に差が出ることはあまりありません。
つまりどのメーカーも給湯器自体の基本的な性能や耐用年数、故障のしやすさや品質等に大きな差はないため、基本的にはどのメーカーを選んでも安心です。
そのため、メーカーを軸として選ぶ際には以下のような選び方をする人が多いです。
- 必要な機能を基準に、その機能が備わっているメーカーを選ぶ
- 好きなデザインの給湯器を販売しているメーカーを選ぶ
- メーカー全体の会社の規模感から信頼できそうなメーカーを選ぶ
- 他の住宅設備と同じメーカーを選ぶ
例えば、家族に高齢者や子供がいるから浴室内をモニターできる機能がほしい、帰ったらすぐにお風呂に入りたいからスマホで連携できるものが良い、などの生活をする中で生じる悩みや希望を叶えられるメーカーを選ぶ人が多いです。
ですので、メーカーを軸として選ぶ際は、どのような観点を重視するのかを意識し、それに見合ったメーカーの給湯器を選ぶと良いでしょう。
給湯器の給湯量が季節で異なる理由
同じ給湯器を使用していても季節によって給湯量が変わってしまいます。給湯量が変わってしまう原因は給湯器使用時の水温にあります。
水温によって給湯量が変わる理由は、1分間あたりの給湯量が次ように算出されるためです。
水道の水温は夏が約25℃、冬が約9℃なのでそれぞれの季節の給湯量は次のようになります。(給湯器の号数を20号、設定温度を40℃とする)
(冬)20×25÷(40-9)≒16.1 L/分
このように季節毎の水温の変化により給湯量が2倍以上変化することがあります。給湯量が変化すると給湯器の故障を考えてしまいますが、季節によるものであれば故障ではないのでご安心ください。