エコジョーズ・エコキュートという選択肢
給湯器の交換を考えている場合、従来型のガス給湯器に交換するのも一つの手ですが、最新のエコジョーズやエコキュートに交換するという選択肢もあります。 エコジョーズやエコキュートには以下のような特徴があります。エコジョーズの特徴
エコジョーズはガスを利用してお湯を作るため、その点で言えば従来型のガス給湯器と同じですが、従来型では捨てていた排気熱を再利用することで、従来型のガス給湯器よりも少ないエネルギーでお湯を作ることができます。 少ないガスの量で効率良くお湯を沸かすことができるため、省エネにつながる環境と家計に優しい給湯器です。 ただし、エコジョーズは従来型の給湯器よりも初期費用が高いため、あまりお湯を使わないという家庭の場合、いくらエコジョーズで安くお湯を作っても、初期費用で支払った差額を取り返せない可能性があります。 そのため、目安としてはつきの平均のガス代が1万円を超えるような家庭であれば、エコジョーズに交換することでお得になる可能性があります。エコキュートの特徴
エコキュートは従来型やエコジョーズと違い、大気中の熱を利用してお湯を作る電気式の給湯器です。 エコキュートを設置するための初期費用は従来型のガス給湯器やエコジョーズよりも高く、さらにエコキュートは本体のサイズが従来型やエコジョーズよりも倍以上大きいため、設置をする場所も考える必要があります。 しかし、ランニングコストはエコジョーズよりもお得となっており、年間にかかるコストを抑えたいという方はエコキュートの方がおすすめです。 また、設定によって異なることもありますが電力のピークとなる昼間はあまり電力を使用せず、電力消費の少ない夜間をメインに運転をするためピークシフトに貢献するのも特徴のひとつでしょう。給湯器の給湯量が季節で異なる理由
同じ給湯器を使用していても季節によって給湯量が変わってしまいます。給湯量が変わってしまう原因は給湯器使用時の水温にあります。
水温によって給湯量が変わる理由は、1分間あたりの給湯量が次ように算出されるためです。
水道の水温は夏が約25℃、冬が約9℃なのでそれぞれの季節の給湯量は次のようになります。(給湯器の号数を20号、設定温度を40℃とする)
(冬)20×25÷(40-9)≒16.1 L/分
このように季節毎の水温の変化により給湯量が2倍以上変化することがあります。給湯量が変化すると給湯器の故障を考えてしまいますが、季節によるものであれば故障ではないのでご安心ください。
給湯器の修理や交換にかかる時間は?
給湯器の工事にかかる時間はその状況によって変わりますが、修理の場合、そもそも修理できるのか、また修理のために必要な部品は調達が可能なのかを現場にて判断するため、かかる時間の想定が難しい工事のひとつです。
例えば、修理は可能ではあるが部品の調達に時間がかかる場合は部品が到着してからの施工になるため、数日はかかってしまう可能性もあります。
一方で、交換を行なう場合は希望する給湯器さえあれば以下のような時間で交換工事を行なうことができます。
新しい給湯器の種類 | 交換工事の所要時間 |
---|---|
一般的な家庭用給湯器 (給湯専用) | 約2時間 |
一般的な家庭用給湯器 (セミオートタイプ・フルオートタイプ) | 約3時間 |
エコジョーズ・エコキュート | 3~4時間 |
床暖房付き給湯器 | 4~6時間 |
一般的な家庭用給湯器
一般的な家庭用給湯器はいわゆる従来品などと呼ばれる製品を指します。給湯器を専門にしている業者や水まわりやガスの知識のある業者であれば構造を理解しており、作業自体にも慣れているためさほど時間がかからない事が多いです。
セミオート、フルオートと呼ばれる給湯器はお湯張りや追い焚きなどを自動で行ってくれる機能を持つ給湯器を指します。
こちらは機能面が増えることで施工時間も若干ではありますが長めに見ておくと良いでしょう。
エコジョーズ・エコキュート
エコジョーズやエコキュートは給湯の仕組みこそ異なりますが、ガスだけを使用するのではなく大気の熱や排気熱を利用して効率良く給湯をする給湯器を指します。
とくにエコキュートはサイズも従来の給湯器よりも大きく、施工には時間を要します。
床暖房付き給湯器
床暖房付き給湯器は「給湯暖房熱源機(TES)」とも呼ばれる給湯器を指します。
こちらは暖房配管など部品が多く、熱源機本体自体も重く交換作業には多くの時間を要します。
給湯器の修理や交換は自分で行なってはいけない
給湯器の交換を自分でもできるのかと考える人がたまにいますが、そもそも給湯器の修理や交換は国が定める資格保有者しか施工してはなりません。いくら知識をつけていたり、腕に自信があるという方でも自分で作業をしようとは思わないようにしてください。
本体そのものを壁などに設置するところまでは無資格でも可能ですが、ガス・水道の配管との接続や、電気設備の変更には国家資格が必要で、無資格施工は犯罪です。
仮に電気関係の工事を無資格で行った場合には、電気工事士法違反として、30万円以下の罰金か1年以下の懲役が科せられます。
ちなみに給湯器の施工に必要な資格には以下のようなものがあります。
- 液化石油ガス設備士(国家資格)
- ガス機器設置スペシャリスト/GSS(民間資格)
- ガス可とう管接続工事監督者(公的資格)
- ガス消費機器設置工事監督者(公的資格)
- 日本ガス協会 簡易内管施工士(民間資格)
- TES工事士(民間資格)
- 給水装置工事主任技術者(国家資格)
給湯器の業者に施工を依頼する際に、こういった資格があればあるほど信用度が高いと判断してよいでしょう。
中には施工をする上で必須とも言える資格がありますが、必ずしも必要でない資格もあるため注意しましょう。
しかし、給湯器や水まわり、ガスを触る上での知識が多いことを証明するものなので多いに越したことはありません。