給湯器交換をお考えの際、まず手軽なところとして思いつくのが最寄りのホームセンター。売り場に給湯器が並べられていますし、大手のカインズホームやビバホームなら安心感もあるように思えます。また、東京ガスを始めとするガス会社、リフォーム系業者、ネット系の給湯器交換専門業者などもあります。
では、実際のところはどうなのか。私が実際に見積もりを取った上での体験を元にそれぞれの特徴をご紹介します。
目次
給湯器メーカーの場合
リンナイ、ノーリツ、パロマ、パーパスなど給湯器を作っているメーカーも給湯器の修理や設置、交換を行っています。
しかし、給湯器は現在ネット系業者などで本体価格が5~8割引きが当たり前のところ、メーカーに頼むと給湯器本体の割引がほぼありません。
加えて、当然工事費用も発生しますので、金額的にはネット系業者の3倍近くなってしまうケースも。
基本的には給湯器メーカーは業者へ製品を卸すところまでがメインで、交換業務を自社で請け負うケースは少ないのが現状です。メーカーへ依頼するのは
- 給湯器設置してから1~2年以内の保証期間内
- 非常に軽微な不具合
くらいでしょう。
新規設置・修理・交換、いずれもメーカーへ依頼するのは損です。
東京ガス等のガス会社の場合
ではガス会社ですが、私が実際に見積もりを取ろうとしたのは東京ガス。
しかし、東京ガスも本社では給湯器交換・修理等を受け付けておらず、申し込み先はライフバルというグループ企業になります。
ではライフバルに申し込んだ場合にいくらくらいになるかと言うと「ネット系業者の相場の2倍近い価格」となっているのが現状です。
勿論物によってはそれ以下のケースもありますが、東京ガスに限らず各ガス会社もメーカーと同じように給湯器の交換・修理はメイン事業では無い為、値引き率・利便性ともにネット系業者に比べて大きく劣ります。
ガス会社への連絡が必要なのは、
- 給湯器を交換する際にガス管の変更等が必要なリフォームの場合
- エコジョーズなどの給湯器にする事でガス代の料金プランが割引になるケースがある
このような場合のみでしょう。メーカーと同じく、給湯器の新規設置・修理・交換でガス会社を利用するメリットはほぼありません。
ホームセンター系 カインズホーム、ビバホームの場合
カインズホーム、ビバホームともに見積もりを取り、2社に共通するのは以下の点です。
- 現地調査は必須
- ネット対応の見積もり依頼が無いので電話・店頭での確認
- 実際に工事をお願いする場合、最低1度は店頭に訪れて契約する必要がある
原則として店頭へ赴く必要がある点と、営業時間外に一切対応が無いのは大きなデメリット。リフォーム系、専門業者系と比較して、利便性という点で大きく劣ります。
カインズホームの場合
- 個別の明細見積もりは口頭では出してくれない
- 概算価格はネット系業者より3~4割増し
- 保証は基本が1年
- 3年保証に2,600円 5年5,200円 8年9,800円 10年18,000円
- 保証は本体の故障のみ(工事の不具合によるものと思われる点は保証対象外)
カインズホームの場合、上記のような提示でした。
価格面、保証面、利便性、どれをとっても正直ネット系業者に勝てる点はありません。
ビバホームの場合
- 電話でも見積もり明細はもらえる
- 価格相場はネット系業者とほぼ変わらない程度
- ビバホーム独自の保証は一切なし
- その為、給湯器本体のメーカー基本保証(2~3年)以上の保証をつけたい場合、メーカーへ別途申し込みが必要
ビバホームの場合は、上記の通りです。
価格面ではかなりディスカウントされているので、お店が近く営業時間内に店頭へ行く事が容易な方でしたら選択肢に入るかもしれません。
但し、保証についてはビバホーム側では全く対応していないという点は大きなデメリットです。
ホームセンター大手2社でこれでしたので、他のホームセンターに問い合わせはしておりませんが、給湯器交換単体の工事においては、ホームセンターにお願いするメリットは感じられませんでした。
ネット系業者の場合
ネット系業者の場合、リフォーム系全般を行っている会社と給湯器交換を専門に行っている会社に分かれます。
会社の規模で言えば、リフォーム系の方が大きいので、その点では安心できるかもしれませんが、実際に見積もりを取った上での各社の対応は以下の通りでした。
Sンリフレプラザ(リフォーム系)
- 写真を添付してのオンライン見積もりが可能
- 価格は最安値相当
- 但し、保証は別料金(8年9,800円 10年18,000円)
- 関東圏対応
従来設置していたノーリツ製給湯器と同じ物を推奨されました。その際、リモコンの再利用ができる点を指摘してもらい、それは明細に含まれていませんでしたが、住設.comはリモコン付きでサンリフレプラザより安い提示となっています。
担当スタッフが自社HP上に顔出ししているものの、資格が明示されていないのは不安点。
J設.com(リフォーム系)
- 写真を添付してのオンライン見積もりが可能
- 価格は最安値相当
- 日本全国対応
単純な価格だけならば住設.comが最安値となっています。ただ、見積もりを申し込んだ際、日中は電話をしないで欲しいと記載していたものの電話があり、交換を前提に話をされ、少々困った事を付記しておきます。
また、全国対応は協力会社と提携、とあり、提携業者の工事スタッフが不明瞭。工事資格の有無について不安が残ります単純な価格だけならば住設.comが最安値となっていました。ただ、見積もりを申し込んだ際、日中は電話をしないで欲しいと記載していたものの電話があり、交換を前提に話をされ、少々困った事を付記しておきます。
また、私は2回給湯器交換を体験しましたが、2回目は他社より2万円ほど高い見積もりが出てきました。商品によってどこが安いとは一概に言えないので複数社から見積もり依頼を取りたいところです。
あと全国対応は協力会社と提携とあり、実際に工事を行うスタッフが不明確。工事資格の有無について不安が残ります。
Yドクター(給湯器・風呂釜専門業者)
- 写真を添付してのオンライン見積もりが可能
- 価格が高い
- 日本全国対応
7年保証で価格が割高。全国対応は魅力的ですが、会社のスタッフ数から確実に下請け業者(協力会社)を利用しています。工事資格を持たない担当者が来る恐れも高く、安心感もイマイチ。メリットは感じられませんでした。
Sケージー株式会社(給湯器交換専門会社)
- 写真を添付してのオンライン見積もりが可能
- 24時間対応
- 価格は高い(※但し「他社より1円でも高い場合は~」とHP上に明示してあり価格交渉可能)
- 見積もりを取った中では唯一HP上に有資格一覧を掲載
- 関東圏対応
私が最終的にお願いしたのはこちらの業者さんです。
当初の見積もり提示は高額でした。そして、こちらのフォームへ申し込みをした際に、うっかり電話をしないで欲しい旨を書き込むのを忘れていたのですが、担当の方から電話があり、その際の対応が非常に良かった事と、他社の見積もりを出した上で、最安値での工事をお願いできたから。
また、営業時間外のこちらからの電話にも丁寧に対応して頂けました。
そして、何より私が調べた中では唯一資格の一覧を明示しており、安心感があった事です。
話によると給湯器の種類によっては最安値までは出来ない場合もあるそうですが、その点はラッキーでした。
たまたまの電話から良い工事へ結びついたので、どう転ぶか分からないものですね(笑)。メールだけでのやり取りだったら、ここまで安心してお任せする事は無かったと思います。
給湯器の取り付け業者はどこがお得?まとめ
まず、価格面での大幅な乖離から、リンナイ・ノーリツなどのメーカー、東京ガスなどのガス会社へ依頼する事はまずないでしょう。
また、カインズホームやビバホームのようなホームセンター系は保証範囲が狭い点や利便性の悪さ、価格面で脱落。
ネット系業者では、1回目の見積もりではJ設.comが最安値提示となりましたが、対応面で不安が残りました。
給湯器に関しては、1980年代にパロマ製の給湯器で動作不良による一酸化炭素事故が28件起きており、中には亡くなられた方もいます。
現在の給湯器は事故を受けより厳しい基準で作られており、そういった事故の不安は解消されたと言えますが、交換工事はあくまで人の手でやるものです。
全国対応であれば、地域によって協力会社という名の下請け業者さんが工事をするわけですが、どういった人かも分からない、資格があるかも分からない、という点は気を付けた方が良いでしょう。
メーカーやガス会社のように明らかに高額なところを選ぶ方はほとんどいないかと思いますが、1~2万円程度の差であれば価格差と安心感・信頼感とのバランスは人それぞれでしょう。
いずれにしても、特にネット系業者の場合は複数社から見積もりを取って比較するのは大切な作業です。
その中からどれを一番に優先して選ぶか、慎重に選択して頂きたいと思います。