『エネファーム』導入費用・相場、ランニングコストの実態まとめ

エネファームは主に東京ガスや大阪ガスの製品として販売されている給湯システムの一つです。こちらでは、エネファームの詳細について解説していきますが、まず冒頭でお伝えしておかなければならないのが

エネファームは費用・コスト面では全くお得ではない

という点です。もしも、導入費用やランニングコストを重視してエネファームを検討されている方は、以下の記事を見る必要はありません(笑)。エネファームはエコ意識が非常に高い方向けの商品です。

エネファームとは?基礎知識

エネファームとは、ガスや石油から水素を取り出し、空気中の酸素と反応させて発電するシステムです。また、発電時の排熱を利用して給湯を行う(コージェネレーションステム)ことから、他の給湯器と同一ジャンルのように混同される方も多いですが、どちらかと言うと主眼は発電の部分に置かれている商品です。

2018年現在、お湯を使用している時に限り発電を行うタイプと、24時間発電をし続けるタイプがあり、後者の場合は売電契約をガス会社と結ぶことで設置することが出来ます。

エネファームのメリット

エネファームの特徴1.自家発電システムで送電ロスがほぼゼロ

エネファームは家庭内でお湯を使用する際に使われるガスや石油を利用して発電するシステムを取っており、それにより家庭内の電気料金の4~6割程度を削減できるとされています。発電所から一般家庭に電力が供給される際には、送電時に電力ロスが生まれますが、一般家庭の屋外に設置され、物理的な距離がほとんどないエネファームはこの送電ロスがほぼゼロになることで効率的なエネルギー利用が可能となっています。

エネファームの特徴2.東京ガスや大阪ガスが専用のガス料金プランを用意

エネファームは、利用者専用に東京ガスや大阪ガスが安い料金プランを設定しています。

エコキュートの特徴3.補助熱源機の利用で湯切れの心配がない

エコキュートのように貯水タンクが設置されているタイプと違い、通常の給湯器と似た補助熱源機の機能を備えている為、給湯切れを起こす心配がありません。

エネファームのデメリット

  • 非常に大型で重く、設置スペースが必要であり、場合によっては地面の基礎工事が必要
  • 導入費用が非常に高額で、売電を加味してもコスト面ではガス給湯器などに叶わない
  • 精密機械であるため、地震などの災害時にすぐ運転がストップし、復旧にも時間がかかる
  • 精密機械であるため故障リスクが高い
  • 10年間or40,000時間の運転で強制的に発電がストップし、その後は1年ごとにガス会社の有償点検が必要になる
  • 売電価格はガス会社の原料調達価格に左右されるため、コストの見通しが立てづらい
  • 契約年数に縛りがあり他社へのガス料金プランの変更が出来ない。突然の引っ越しなどの事態に対応出来ない

エネファームの導入費用・相場はいくら?

冒頭でコスト面では全く見合わない、とお伝えしたエネファームの導入費用は下記の通り

給湯時のみ発電タイプ:70~80万円 ※工事費・諸費用コミ

24時間発電タイプ:120~160万円 ※工事費・諸費用コミ

東京ガスでは、2016年を目処に一般向け価格を70万円以下にすることを指針に値下げが幾度も行われてきましたが、多くのデメリットを内包していることから需要が高まらず、その結果導入費用も下がっていません。

また、エネファーム導入の追い風となっていた自治体の補助金制度も現在は続いているものの今後減少ないし打ち切りの方向です。

そもそもエコジョーズで床暖房に対応した最も高額なタイプでも導入費用の相場は25~27万円程度。ランニングコストでこの差額を埋めるには最低でも7年程度で50万円ほどの差を償却しなければなりませんが、それは電気代・ガス代のトータルが毎月5万円ほどになるようなよほどの大家族か事業用の方に限定されます。

更に10年後の追加費用(有償点検費用)や不具合が見つかった際の修理費用がハッキリしていない点も考える費用面でのメリットは皆無と言えます。

ハッキリ言って、エネファームはプロジェクトとしては大きく失敗しているのが現状です。一部のハウスメーカーでは40万円程度で導入できる、などという噂レベルの話もありますが、費用面以外でも下記のようなデメリットがあります。

運転時に発生する低周波による健康被害に注意

エネファームの大きな欠点として、運転音・振動が他の給湯器に比べて大きく、低周波による健康被害があげられます。

消費者安全調査委員会(以下「調査委員会」という。)では、家庭用コージェネレーションシステム(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム及び家庭用ガスエンジンコージェネレーションシステム。以下総称して「家庭用コジェネ」という。)から生じる運転音により不眠等の症状が生じたという申出を複数受けた。

~中略~

調査委員会に寄せられた申出及び消費者庁の事故情報データバンクに登録された相談合わせて 73 件(平成 21 年9月から平成 29 年9月まで)ある中で、調査の協力が得られた8件について現地実態調査を行った結果、燃料電池コジェネで2件、ガスエンジンコジェネで3件の対応関係がみられた。家庭用コジェネの運転音の人体への影響及びそのメカニズムには不明な点もあることから、現時点で家庭用コジェネの運転音と不眠等の症状の関連を断定することはできないものの、今回の調査で個別の事案において対応関係がみられたことから、その関連性は否定できない。

引用:消費者安全調査委員会 消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書 家庭用コージェネレーションシステムから生じる運転音により不眠等の症状が発生したとされる事案

エネファームが発する低周波と健康被害については、結論として明確な因果関係が認められてはおらず個人差があることも確認されていますが、影響があったことは否定できない、として意見書が提出されています。

エネファームの導入にはこの点にも配慮する必要があります。

エネファームvsエコジョーズ 導入するならどっちがオススメ?

2018年11月時点での比較においては、エネファームを導入する理由は正直見当たりません。勿論、停電時も発電でき、蓄電機能を備えていることから災害時に強いというメリットはありますが、それ以上にデメリットが大きすぎます。

イニシャルコストのより一層の低下は勿論のこと、ガス会社の寡占となりがちな契約の縛り、10年以上経過時の追加費用の削減、これらが実現しない限り、エコジョーズやエコキュート、エコワンなどの給湯器を優先された方が無難でしょう。

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